
子どもに伝えたい価値観
①あなたがお子さんに伝えたい価値観とはどのようなものですか? ②あなたは、どのようなことのために、命をかけることができますか? ③あなたがお子さんと一緒にいられるのは、あと何年ですか?
真に遺すに値する遺産
金銭ではなく、永遠に続くものこそ、真に遺すに値する遺産です。 決して朽ちることのない永遠に続く宝(=神と人を愛する心)を、子供たちの心に引き継ぐことです。
そのために投資するものは、時間です。
『20ドル』

残業を終えて、男は疲れ果てていらいらしながら家にたどり着いた。 すると彼の5歳の息子が玄関で彼の帰りを待っていた。
「お父さん、ひとつ聞いてもいい?」 「ああ、なんだい?」 「お父さんは1時間働いていくらもらえるの?」 父親は怒って言った。 「 「そんなことお前に関係ないだろう! どうしてそんなこと聞くんだ?!」 「ただ知りたいだけだよ。ねえ、教えてよ、1時間でいくらもらえるの?」 息子はどうしても知りたいようだ。 「そんなに言うんなら教えよう。1時間20ドルだ。」 「そうかー。」と言って息子は下を向いた。 そして顔を上げるとこう言った。
「お父さん、10ドル貸してもらいないかな?」 父親は怒って、「くだらないおもちゃやつまらないものを買うお金がほしくて俺が1時間いくら稼ぐか聞いたのか!? だめだだめだ。さっさと部屋に行って寝なさい。 自分がどんなにわがままか考えてみるんだ。 父さんは毎日遅くまでくたくたになるまで働いているんだ。 子どもの遊びに付き合っている暇はないんだ。」と息子に言った。
息子は静かにドアを閉めて部屋へ入っていった。 椅子に座ると、父親は息子の質問のことで余計に腹が立ってきた。 小遣いが欲しいからと言ってあんな質問をするなんて・・・。 しかし1時間ほど経つとだんだんと落ちついてきて、少し言い過ぎたかもしれないと考えた。
もしかしたらその10ドルでどうしても買いたいものがあったのかもしれないし、それにそんなにしょっちゅうお金をねだる子でもないんだし。
父親は息子の部屋に行きドアを開けて尋ねた。 「もう寝たかい?」 「ううん、まだ起きてるよ。」 息子は答えた。
「考えていたんだが、さっきはちょっと起こりすぎたよ。 疲れててお前に当たってしまったようだ。 ほら、さっき言ってた10ドル。」父親がそう言うと息子は喜んで起き上がった。
息子は、「わあ! お父さんありがとう!」と叫ぶと、枕の下に手を入れてしわくちゃのお金を何枚か取り出した。 父親は、息子がすでにお金を持っていたことを知って、また怒りを感じ始めた。
息子は、ゆっくりとお金を数えると、父親のほうを見た。 父親はむっとして言った。 「お前、お金持ってるじゃないか? なんでもっと欲しいんだ?」
「だって、足りなかったんだもの。でも、これで大丈夫。」
息子は答えた。 「お父さん、ここに20ドルあるから、1時間だけ一緒にいてくれない?」
